60代の高配当株投資 : 私の体験と新NISA時代の選択

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株価チャートが見える携帯電話 60代の投資

投資経験のないシニア世代の方々にとって、「投資」という言葉には少なからず不安がつきまとうものです。私も4年前、58歳で初めて株式投資を始めたときは、同じような気持ちでした。

しかし、投資系YouTuberの解説を参考に、慎重に一歩を踏み出したことで、今では少額ではありますが配当収入を得られるようになりました。

特に印象に残っているのは、SBIネオモバイル証券で始めた「S株と呼ばれる単元未満株」での投資です。少額から始められる手軽さは、投資初心者の私にとって大きな魅力でした。

その後、証券会社の統合でSBI証券に移管されましたが、運用は順調に続いています。

昨今、年金制度への不安から、老後の資産形成に関心を持つシニアが増えています。また、2024年から始まった新NISA制度により、投資環境も大きく変わりました。

この記事では、同世代の方々に向けて、私の高配当株投資の体験と学んだことをお伝えしたいと思います。リスクと向き合いながら、地道に配当収入を得ていく方法について、実体験をもとにご紹介します。

高配当株投資の基本

投資初心者のシニア世代にとって、高配当株投資の魅力は「定期的な配当収入」にあります。これは年金に似た性質を持ち、定期的な収入を得られる点が特徴です。

しかし、年金との大きな違いは、市場の変動に応じてリスクが伴うという点です。基本的な仕組みについて、しっかりと理解しておきましょう。

配当収入の特徴

配当金は企業が株主に対して支払う利益の還元です。不労所得ですね。

配当金の受取時期は、権利確定日から2~3ヵ月後となります(定時株主総会後)。

3月期決算企業の配当金の受取時期は、5月から6月にかけて行われる定時株主総会後となることが一般的です。また、3月期決算企業のうち中間配当を実施する場合は、11月または12月が中間配当の受取時期となります。

重要なのは、配当金額は企業の業績によって変動するという点です。

好調な企業は配当金を増やすこともありますが、業績が悪化すれば減配や無配になることもあります。このため、安定した経営基盤を持つ企業を選ぶことが重要です。

リスクと収益の関係

高配当株投資には、主に二つのリスクがあります。

一つ目は「株価変動リスク」です。どんなに優良な企業でも、株価は市場環境によって上下します。配当利回りが高い企業は、比較的株価変動が小さい傾向にありますが、それでも変動リスクは避けられません。

二つ目は「企業業績の悪化リスク」です。これは配当金の減少や、最悪の場合は無配につながる可能性があります。このリスクを抑えるために、財務体質の良い企業を選ぶことが大切です。

一方で、これらのリスクに見合った収益も期待できます。配当金による定期的な収入に加えて、株価上昇による利益(キャピタルゲイン)も得られる可能性があります。

私の場合、4年間の投資で、配当収入に加えて、保有銘柄すべてで株価が上昇しています。

税金の基礎知識

配当金には原則として20.315%の税金(所得税15.315%、住民税5%)がかかります。配当金の受け取り方には「配当金領収書での受け取り」と「証券口座での受け取り」の2つの方法があります。

私は証券口座での受け取りを選択していますが、これには大きな理由があります。

証券口座での受け取りは、配当金が自動的に口座に入金され、特段の手続きが不要という手軽さがあります。また、証券会社が源泉徴収を行うため、多くの場合、確定申告も不要です。

初心者の方には、この証券口座での受け取りをお勧めします。

一方、配当金領収書での受け取りは、郵便局や銀行で配当金を受け取る方法です。こちらは確定申告が必要になることが多く、手続きが煩雑になりがちです。

ただし、配当金額が大きい場合や、他の所得と合算して確定申告を行う必要がある場合には、この方法を選択することもあります。

また、株式投資では「配当金と売却損益の損益通算」という制度があります。これは、例えば株式の売却で損失が出た場合、その損失を配当金の収入と相殺できる制度です。

ただし、この制度を利用するためには確定申告が必要になります。

シニア世代の投資では、このようなリスクと税金について理解した上で、自分の生活設計に合った投資を行うことが大切です。

初めての方は、管理のしやすい証券口座での配当金受け取りから始めることをお勧めします。

次の章では、私の実践経験をもとに、具体的な投資の進め方についてお話ししていきます。

私の実践経験

銘柄選定基準

私が投資を始めた当初は、投資系YouTuber「両学長」が紹介する高配当銘柄から、23銘柄を選んで投資を始めました。

※現在では、株価への影響が大きいとのことで、個別銘柄の紹介はされていません。

両学長の「選び方を間違えなければ、高配当株はまさに金の卵を産むニワトリだ」という言葉が印象的でした。その選び方について、参考になるブログのリンクを貼っておきますのでご覧ください。

【初心者向け】「分析ツール」を使った日本の高配当株の見つけ方をカンタン解説!

保有銘柄の見直し

しかし、23銘柄もの株式を保有していると、それぞれの企業の業績や今後の見通しを把握するのが予想以上に大変でした。

また、2024年から始まる新NISA制度を見据え、ポートフォリオの見直しを行いました。その結果、現在は以下の7銘柄に絞っています:

  • 信越化学工業:素材業界のリーディングカンパニー
  • 武田薬品:グローバルな製薬企業
  • バルカー:産業機器の重要部品メーカー
  • 三井住友:メガバンクの一角
  • 三菱HCキャピタル:金融・リース大手
  • 第一生命:保険業界大手
  • JR九州:九州の交通インフラを支える企業

売却の判断と後悔

ポートフォリオの銘柄数を絞るために実施した売却判断の中で、最も後悔しているのが商社大手3社(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産)の全売却でした。

これらの銘柄は、その後も着実な業績向上と増配を続け、株価も大きく上昇しました。振り返ってみると、商社は世界情勢の変化に強く、配当も安定している特徴があり、少なくとも1社は保有を継続すべきだったかもしれません。

同様に後悔しているのが、通信大手3社(沖縄セルラー、KDDI、NTT)の売却です。これらの銘柄もまた、私の売却後も安定した収益基盤を活かして、着実な配当成長を実現してきました。

沖縄セルラーは地域独占の強みを活かした安定した収益基盤を持ち、KDDIとNTTは規模の経済性と技術力を武器に、新規事業開発も積極的に進めてきました。

通信インフラは社会のデジタル化が進む中で、むしろその重要性を増しており、長期的な成長性も期待できる分野だったと考えています。

これら通信3社は、商社3社と同様に、景気変動の影響を受けにくい事業構造と、健全な財務体質を備えていました。また、安定した営業キャッシュフローを背景に、株主還元にも積極的な姿勢を示していました。

あの銘柄、売らなければよかったなあ・・・

この経験から学んだことは、銘柄数を絞る際には、単純な数合わせではなく、以下の点をより慎重に検討する必要があるということです。

  1. その企業が持つ競争優位性の持続可能性
  2. 業界の構造的な変化と、それに対する企業の適応力
  3. 財務の健全性と株主還元への積極性
  4. 長期的な成長戦略の実現可能性

特に通信業界は、設備投資負担が重い反面、参入障壁が高く、既存プレイヤーが築き上げた事業基盤は容易には崩れないという特徴があります。

このような業界特性を持つ銘柄こそ、短期的な株価変動に一喜一憂せず、長期保有に徹するべきだったと反省しています。

投資とは本質的に、将来への期待に対してお金を支払うということです。その意味で、目先の配当利回りだけでなく、その持続可能性と成長性を重視した投資判断を心がけたいものです。

情報収集の方法

私の情報収集は、主に以下の3つの情報源を活用しています:

YouTubeチャンネル
両学長をはじめ、信頼できる投資系YouTuberのチャンネルを定期的にチェックしています。参考になるYouTubeチャンネンルのリンクを貼りますので、ご覧になってください。

両学長 リベラルアーツ大学(下記以外にも投資に有益な動画がたくさんあります)

【超初心者向け】はじめての高配当株投資!始め方&ポイントを専門用語をほぼ使わずに解説【株式投資編】:(アニメ動画)第442回

【再放送】【初心者向け】高配当株の「分析ツール」の使い方をカンタン解説【株式投資編】:(アニメ動画)第130回

節約オタクふゆこ

【月3万円の配当金を目指す】今から日本高配当株始めるならこの27銘柄【2024年12月利回りランキング】

株の買い時を考えるチャンネル

下落中 12月高配当株 この5銘柄

株探(Kabutan)
保有銘柄の株価変動、業績実績、配当性向などの客観的なデータをチェックするのに活用しています。特に決算発表の時期には、しっかりとデータを確認するようにしています。

株探(Kabutan)」のリンクも貼っておきますので、ご覧ください。

Yahooファイナンス
株価チャートの確認に加えて、投資家の口コミ情報も参考にしています。特に、業績への評価や今後の見通しについての意見は、投資判断の参考になることがあります

ただし、口コミ情報については、あくまで参考程度にとどめ、最終的な判断は株探での客観的なデータを重視しています。

Yahooファイナンス」のリンクも貼っておきますので、ご覧ください。

実際の運用の手間と実績

7銘柄に絞ったことで、以前に比べて運用の手間は大幅に減りました。現在は、月に1回程度の株価チェックと、決済期ごとの業績確認が主な作業です。でも、忘れていることもあります。

配当金については、SBI証券の口座で自動的に受け取れるため、特別な手続きは必要ありません。

なお、2024年の具体的な配当実績については、SBI証券からの年間取引報告書が届き次第、詳しくご紹介する予定です。(2025年1月中旬ころ更新予定

私が得る配当金は、決して大きな金額ではありませんが、コーヒー1杯分程度の投資から始めて、4年かけて少しずつここまで育ってきました。

予定これまでの経験から、高配当株投資は、銘柄数を適切に管理できる範囲に抑えることが、安定した運用につながると実感しています。

今後の判断材料

これまでの投資経験と、2024年からの新NISA制度の開始を踏まえ、今後の投資判断について整理してみたいと思います。

個別株投資のリスク

7銘柄に絞った現在の運用は、管理の面では大変効率的です。しかし、個別株投資には常にリスクが伴います。私の経験から、次の3点に特に注意が必要だと感じています。

1つ目は、選択した業界・企業の将来性です。商社3社と通信3社を売却した経験から、業界の見通しについては、より慎重な分析が必要だと学びました。

2つ目は、配当の継続性です。安定した配当を続けられる財務体質かどうかを定期的にチェックする必要があります。

3つ目は、株価変動リスクです。7銘柄という限られた銘柄数では、市場全体の下落時に大きな影響を受ける可能性があります。

新NISAとの2本立て

私は58歳の時からNISAでの投資も並行して行ってきました。その経験と新NISA制度についての考えは、別のブログ記事「60代からの穏やか資産形成 〜新NISA時代の私の投資スタイル〜」で詳しく書いています。

そちらでは、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)SCHDを中心とした投資戦略について説明しています。

無理のない少額から始められる、新NISA(メイン)と高配当株投資(サブ)。私の資産運用の両輪です。

ポートフォリオの見直し検討

今後のポートフォリオについては、以下の3つの方針で運用していく予定です。

  1. 現在の高配当株7銘柄は、月1回の業績チェックを継続
  2. 新NISAでは、別ブログで紹介している全世界株式とSCHDを中心とした長期投資を実施
  3. どちらの投資も、生活に支障をきたさない範囲で少額ずつ継続

まとめ

投資を始めて良かった点

4年間の投資経験を通じて、最も良かったと感じる点は、年金以外の定期的な収入源を確保できたことです。

ちょっと豪華なランチ代ほどの額でも、不労所得はうれしい~♥

また、企業の動向や経済ニュースへの関心が高まり、社会との接点が増えたことも大きな収穫でした。

注意すべき点

同世代の方々に特に注意していただきたいのは、以下の3点です:

  1. 投資は自己責任が原則であり、損失を被る可能性もあること
  2. 企業の財務状況や将来性の分析には継続的な努力が必要なこと
  3. 相場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが重要であること

今後の方向性

60代からの投資は、決して遅すぎることはありません。むしろ、人生経験を活かした冷静な判断ができる年代だと考えています。

私の場合は、新NISAの投資と高配当株投資の二本立ての運用を目指していきます。

投資を始めようか迷っている同世代の方々には、まず少額から、そして信頼できる情報源をもとに、一歩を踏み出すことをお勧めします。

特に新NISA制度の開始は、投資を始めるきっかけとして良いタイミングかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。この4年間、投資初心者だった私が、試行錯誤しながら学んできた経験が、同世代の皆様の投資への一歩を踏み出すきっかけになれば、これほどうれしいことはありません。

皆様それぞれの状況に合った、無理のない資産運用の選択肢の一つとして、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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